シノアの運命を紐解く上で避けて通れないのが、終わりのセラフのシノアと四鎌童子の因縁、そして姉である柊真昼の存在です。長らく謎に包まれていた四鎌童子の正体は、すべての吸血鬼の頂点に君臨する「第一真祖」シカ・マドゥその人でした。吸血鬼社会を創生し、人類の破滅やセラフ計画の黒幕として暗躍してきた超越者が、なぜかシノアの鬼呪装備として宿っていたという事実は、読者に凄まじい戦慄を与えました。
この異常な事態は、呪われた名門・柊家の冷酷な人体実験によって引き起こされたものです。柊家の当主たちは、真祖を降臨させるための「器」として実の子女を利用しました。その最初の被験体となったのが、シノアの実姉である柊真昼です。真昼は天才的な頭脳と戦闘センスで鬼呪装備を開発しながらも、自ら鬼となり破滅の道を歩みました。
姉妹でありながら正反対の道を歩んだかに見えた二人ですが、終わりのセラフにおけるシノアと柊真昼の姉妹関係は、根底で「愛する男のためにすべてを投げ打つ」という悲痛な共通項で結ばれています。真昼が一瀬グレンのために世界の崩壊すら引き金にしたように、シノアもまた優一郎を守りたいという一心で、禁忌の力へと足を踏み入れていきました。シノアは姉の犯した過ちと孤独の深さを誰よりも理解しながら、自らも同じ深淵へと引きずり込まれていったのです。