高熱によって体力を著しく消耗している場合や、熱中症などで物理的に深部体温を下げたいときは、冷やす場所とアイテムの選び方が根本的に異なります。医学的に推奨されるのは、皮膚のすぐ下を太い血管(動脈)が通っている部位を冷やす手法です。
具体的には、以下の「3大冷却部位」を重点的に冷やすことで、大量に流れる血液が効率的に冷却され、循環によって体全体の熱を逃がすことができます。
- 首の付け根・両脇(頸動脈):首の左右、喉仏の少し外側にある太い血管を冷やします。
- 脇の下(腋窩動脈):腕を閉じたときにしっかり挟み込める位置に保冷剤を当てます。
- 鼠径部・太ももの付け根(大腿動脈):下腹部と太ももの境目にあるくぼみ部分を冷やします。
なお、これらの部位を冷やす際は、冷却ジェルシートではなくタオルで巻いた保冷剤や氷嚢(ひょうのう)を使用するのが鉄則です。冷却シートは冷感を与える設計のため、太い動脈を流れる大量の血液を冷やすだけの保冷熱量が足りません。直接肌に氷や保冷剤を当てると凍傷のリスクがあるため、必ず薄手のタオルやガーゼで包んでから当ててください。