ここで少しストーリーの中核に触れておこう。物語の魅力は、平穏な高校生活を送る主人公が、唯一無二の親友が隠し持っていた異常とも思えるフェティシズムの存在を知ってしまう瞬間から加速する。普通なら引いてしまう場面だが、二人をつなぐ絆はあまりにも固い。理解はできない、共感も不可能、けれど突き放すこともできない――この理不尽な心理的ジレンマが、数々の爆笑必至なシチュエーションを生み出していく。
ネタバレを恐れずに言えば、物語の中盤で明かされる親友の「癖」の真意と、それに振り回されながらも寄り添おうとする主人公の葛藤シーンは、本編屈指の名場面だ。ギャグの裏に隠された甘酸っぱい青春の焦燥感と、人間関係の多様性を肯定するメッセージ性が、単なるフェティシズムコメディを超えた深い読後感を残す。アニメ版でもこの繊細なバランスがどこまで忠実に再現されるかが大きな見どころとなる。