元祖カップ麺「カップヌードル」で市場をリードしていた日清食品は、東洋水産の先行逃げ切りを許しませんでした。日清は和風麺の開発にあたり、従来の四角いカップや縦型カップではなく、本物のどんぶりで食べているような体験を提供する「どんぶり型発泡スチロール容器」を新たに開発しました。
1976年に登場した「日清のどん兵衛」は、どんぶり型容器の立体的な美しさと、ふっくらとした大きな丸大豆100%のお揚げ、そして濁りのない澄んだつゆで一気にシェアを拡大します。日清の圧倒的なマーケティング力と完成度の高さは、市場の勢力図を塗り替えるほどのインパクトを持ちました。
これに対し、東洋水産は「熱風うどん」を徹底的に改良。1978年にどんぶり型容器を採用し、視覚的なインパクトを狙った赤色のパッケージ「赤いきつねうどん」としてリニューアル発売しました。両社はお互いの強みを意識し合いながら、熾烈な技術競争を繰り広げてきたのです。