倫理的葛藤に直面した際、看護師が単独で悩みを抱え込むと、心理的疲弊やバーンアウトにつながりかねません。現場で求められるのは、組織的かつ論理的な看護師の倫理的ジレンマ対処法を確立することです。
その中核を担うのが、患者の声を代弁し権利を守る患者の権利擁護(アドボカシー)の実践です。自己主張が困難な高齢者や終末期の患者に対し、日頃のコミュニケーションを通じて本人の本音や生活歴をくみ取り、医師や他職種へ伝える役割を果たします。
さらに、部署内やチーム全体で定期的な看護倫理の事例検討(倫理カンファレンス)を開催することが極めて効果的です。「Jonsenの臨床倫理の4分割表」(医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況)などの分析ツールを活用し、客観的な事実と個々の価値観を整理しながら、チーム全体で納得度の高いケア方針を導き出します。