事件当時から報道・ジャーナリズム業界もまた、重い倫理的課題に直面し続けた。少年法第61条による実名報道の禁止規定に対し、一部の週刊誌が「犯行の異常さ」を理由に実名や顔写真の掲載に踏み切るなど、ジャーナリズムの規範そのものが大きく揺らいだ。
こうした中、加害者少年たちの成育歴や家庭環境の闇を丹念な取材で追ったノンフィクション作品が世に出た。渥美饒児による書籍『十七歳、悪の履歴書』などは、加害者たちを単なる「絶対悪」として切り捨てるのではなく、崩壊した家庭や少年たちが抱えていた歪んだ心理構造を客観的に記録しようと試みた。センセーショナルな見出しで消費されるニュース報道とは一線を画し、事実を後世に語り継ぐための記録文学としての意義を追求した試みであった。