一審の山口地裁、そして二審の広島高等裁判所は、犯行当時少年であったことや更生の可能性を理由に、過去の慣例を踏襲して無期懲役を選択していた。従来の「永山基準」の壁は厚く、犯行時に未成年であった被告に対する極刑の適用には、司法の強い慎重姿勢が支配的であった。
しかし、その潮目を大きく変えたのが最高裁判所の判断である。最高裁は「犯行の凄惨さや結果の重大性を鑑みれば、少年であることを理由に死刑を回避することは著しく正義に反する」として二審判決を破棄し、審理を広島高裁へ差し戻した。破棄差戻し審の結果、広島高等裁判所は死刑判決を言い渡し、その後の上告棄却を経て極刑が確定した。少年法に守られてきた未成年犯罪に対する量刑基準が、歴史的に塗り替えられた瞬間である。