曖昧さが人命や天文学的損失に直結する現場では、AM/PMの12時間表記は完全に排除されている。その筆頭が航空業界だ。フライトスケジュール、管制塔との通信、整備ログにおいて「午前と午後の見落とし」は許されない。世界中の航空機は、国際標準化機構 (ISO) が定めた ISO 8601 規格に準拠し、協定世界時 (UTC) に基づく24時間表記(例:00:00〜23:59)で運用されている。
IT・ソフトウェア工学の世界も同様だ。データベースのタイムスタンプやサーバーログの解析で「AM 12:00」と「PM 12:00」を取り違えれば、バッチ処理の失敗やデータの上書きといった致命的なバグを引き起こす。世界中で秒間数百万のリクエストを捌くNetflixのような巨大配信プラットフォームでも、配信スケジュールの同期やマイクロサービスの通信はすべて24時間制のUTCを基準に処理されている。エンドユーザー向けの表示画面で親しみやすいAM/PMに変換されているに過ぎない。