更級日記『物語』品詞分解と現代語訳!助動詞の識別と読解の要点を解説

更級日記『物語』品詞分解と現代語訳!助動詞の識別と読解の要点を解説

更級日記『物語』品詞分解と現代語訳!助動詞の識別と読解の要点を解説を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。

まずは試験で最も狙われやすい冒頭から門出、そして『源氏物語』五十余巻を手に入れる場面までの重要文を、1文ずつ細かく分解して確認します。単語の切れ目、活用形、文法的役割を正確に把握することが得点力向上の最短ルートです。

冒頭部:東国での物語への憧れ

【原文】
あづま路の道のはてよりも、なほ奥つ方に生ひいでたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひはじめけることにか、世の中にある物語といふものを、いかでで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間、夜などは、姉、継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでか覚へ語らむ。

【品詞分解】

  • あづま路(名詞) + の(格助詞) + 道(名詞) + の(格助詞) + はて(名詞) + より(格助詞) + も(係助詞)
  • なほ(副詞) + 奥つ方(名詞) + に(格助詞) + 生ひいで(ダ行下二段動詞「生ひづ」連用形) + たる(存続助動詞「たり」連体形) + 人(名詞)
  • いかばかり(副詞) + か(係助詞) + は(係助詞) + あやしかり(シク活用形容詞「あやし」連用形) + けむ(過去推量助動詞「けむ」連体形・係り結び) + を(接続助詞)
  • いかに(副詞) + 思ひはじめ(マ行下二段動詞「思ひ初む」連用形) + ける(過去助動詞「けり」連体形) + こと(名詞) + に(断定助動詞「なり」連用形) + か(係助詞・結び「あらむ」等の省略)
  • 世の中(名詞) + に(格助詞) + ある(ラ変動詞「あり」連体形) + 物語(名詞) + と(格助詞) + いふ(ハ行四段動詞「いふ」連体形) + もの(名詞) + を(格助詞)
  • いかで(副詞) + 見(マ行上一段動詞「見る」未然形) + ばや(願望終助詞) + と(格助詞) + 思ひ(ハ行四段動詞「思ふ」連用形) + つつ(接続助詞)
  • つれづれなる(ナリ活用形容動詞「つれづれなり」連体形) + 昼間(名詞)、夜(名詞) + など(副助詞) + は(係助詞)
  • 姉(名詞)、継母(名詞) + など(副助詞) + やうの(比況助動詞「やうなり」連体形) + 人々(名詞) + の(格助詞・主格)
  • その(連体詞) + 物語(名詞)、かの(連体詞) + 物語(名詞)、光源氏(名詞) + の(格助詞・主格) + ある(ラ変動詞「あり」連体形) + やう(名詞) + など(副助詞)
  • ところどころ(副詞) + 語る(ラ行四段動詞「語る」連体形) + を(格助詞) + 聞く(カ行四段動詞「聞く」連体形) + に(接続助詞)
  • いとど(副詞) + ゆかしさ(名詞) + まされ(ラ行四段動詞「まさる」已然形) + ど(接続助詞)
  • わが(代名詞+格助詞) + 思ふ(ハ行四段動詞「思ふ」連体形) + ままに(格助詞+名詞+格助詞)
  • そらに(副詞) + いかで(副詞) + か(係助詞) + 覚へ(ハ行下二段動詞「覚ゆ」連用形) + 語ら(ラ行四段動詞「語る」未然形) + む(推量助動詞「む」連体形・反語の係り結び)

【現代語訳】
東海道の果て(上総国)よりも、さらに奥まった田舎で育ったような人間は、どれほど見苦しく教養がなかっただろうに、どのようにして思い始めたことであろうか、世の中にある「物語」というものを、なんとかして読みたいと思い続けながら、所在なく退屈な昼間や夜などは、姉や継母などの身近な人々が、あの物語やこの物語、光源氏の様子などを、ところどころ語ってくれるのを聞いていると、ますます読みたい気持ちがつのるのだが、私の思いどおりに、(彼女たちが物語を)暗記してどうして語ってくれようか、いや語ってはくれない。

展開部:薬師仏への異様な祈願と門出

【原文】
いみじく心もとなきままに、等身に薬師仏を作りて、手洗ひなどして、間にしのびつつ、「京にとく上げたまひて、物語の多く候ふなる、ある限り見せたまへ」と、身を捨てて額をつき、祈りと申し出づるほどに、十三になる年、上らむとて、九月三日門出して、いまたちといふ所に移る。

【品詞分解】

  • いみじく(シク活用形容詞「いみじ」連用形) + 心もとなき(ク活用形容詞「心もとなし」連体形) + ままに(名詞+格助詞)
  • 等身に(名詞+格助詞) + 薬師仏(名詞) + を(格助詞) + 作り(ラ行四段動詞「作く」連用形) + て(接続助詞)
  • 手洗ひ(名詞) + など(副助詞) + し(サ変動詞「す」連用形) + て(接続助詞)
  • 間(名詞) + に(格助詞) + しのび(バ行四段動詞「忍ぶ」連用形) + つつ(接続助詞)
  • 「京(名詞) + に(格助詞) + とく(副詞) + 上げ(ガ行下二段動詞「上ぐ」連用形) + たまひ(尊敬補助動詞「たまふ」連用形) + て(接続助詞)
  • 物語(名詞) + の(格助詞・主格) + 多く(ク活用形容詞「多し」連用形) + 候ふ(丁寧補助動詞「候ふ」終止形) + なる(伝聞推定助動詞「なり」連体形)
  • ある(ラ変動詞「あり」連体形) + 限り(名詞) + 見せ(サ行下二段動詞「見す」連用形) + たまへ(尊敬補助動詞「たまふ」命令形)」 + と(格助詞)
  • 身(名詞) + を(格助詞) + 捨て(タ行下二段動詞「捨つ」連用形) + て(接続助詞) + 額(名詞) + を(格助詞) + つき(カ行四段動詞「つく」連用形)
  • 祈りと(名詞+格助詞) + 申し出づる(ダ行下二段動詞「申し出づ」連体形) + ほどに(名詞+格助詞)
  • 十三(名詞) + に(格助詞) + なる(ラ行四段動詞「なる」連体形) + 年(名詞)
  • 上ら(ラ行四段動詞「上る」未然形) + む(意志助動詞「む」連体形) + とて(格助詞+接続助詞)
  • 九月(名詞) + 三日(名詞) + 門出し(サ変動詞「門出す」連用形) + て(接続助詞)
  • いまたち(名詞) + と(格助詞) + いふ(ハ行四段動詞「いふ」連体形) + 所(名詞) + に(格助詞) + 移る(ラ行四段動詞「移る」終止形)

【現代語訳】
ひどくじれったく待ち遠しいので、自分の背丈と同じ大きさの薬師仏を造って、手を清めるなどして、人の目を盗んでは物陰に隠れ、「私を京都へ早く上らせてください。物語がたくさんございますと聞いておりますが、それらをあるだけ全部お見せください」と、身を投げ出すようにして額を床にすりつけ、お祈り申し上げているうちに、十三歳になる年、都へ上ろうということで、九月三日に旅立ちをして、いまたちという仮の宿所へ移った。

結実部:『源氏の五十余巻』との対面と没頭

【原文】
伯母なる人の、……「源氏の五十余巻、ひきつづけて、筥に入れたる」を、得て帰る心地のうれしさぞ、いみじきや。……昼は日ぐらし、夜は目の覚めたる限り、火を近くともしてこれを見るよりほかのことなければ、おのづからなどは思ひも入れず。

【品詞分解】

  • 伯母(名詞) + なる(断定助動詞「なり」連体形) + 人(名詞) + の(格助詞・主格)
  • 「源氏(名詞) + の(格助詞) + 五十余巻(名詞)、ひきつづけ(ガ行下二段動詞「引き続ける」連用形) + て(接続助詞)
  • 筥(名詞) + に(格助詞) + 入れ(ラ行下二段動詞「入る」連用形) + たる(存続助動詞「たり」連体形)」 + を(格助詞)
  • 得(ア行下二段動詞「得」連用形) + て(接続助詞) + 帰る(ラ行四段動詞「帰る」連体形) + 心地(名詞) + の(格助詞) + うれしさ(名詞) + ぞ(係助詞) + いみじき(シク活用形容詞「いみじ」連体形・係り結び) + や(詠嘆終助詞)
  • 昼(名詞) + は(係助詞) + 日ぐらし(副詞)、夜(名詞) + は(係助詞) + 目(名詞) + の(格助詞・主格) + 覚め(マ行下一段動詞「覚む」連用形) + たる(存続助動詞「たり」連体形) + 限り(名詞)
  • 火(名詞) + を(格助詞) + 近く(ク活用形容詞「近し」連用形) + ともし(サ行四段動詞「点す」連用形) + て(接続助詞) + これ(代名詞) + を(格助詞) + 見る(マ行上一段動詞「見る」連体形) + より(格助詞) + ほか(名詞) + の(格助詞) + こと(名詞) + なけれ(ク活用形容詞「なし」已然形) + ば(接続助詞・順接確定条件)
  • おのづから(副詞) + など(副助詞) + は(係助詞) + 思ひ(ハ行四段動詞「思ふ」連用形) + も(係助詞) + 入れ(ラ行下二段動詞「入る」未然形) + ず(打消助動詞「ず」終止形)

【現代語訳】
伯母である人が、(私を不憫に思って)「源氏物語の五十余巻を、一揃いそろえて箱に入れておいたもの」を、もらって帰るときの気持ちの嬉しさといったら、並大抵のものではない。昼は一日中、夜は目が覚めている限り、灯火を近くに引き寄せてこれ(源氏物語)を読むこと以外に何もしないので、自然と(将来の出世や后になることなど)世間の現実的なことには思いを巡らせることもしない。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。