通販やテイクアウトの普及に伴い、自宅の冷凍庫に保冷剤が大量に余っている家庭も多いでしょう。ここで多く寄せられるのが、保冷剤常温放置再冷凍にまつわる疑問です。一度完全に溶けてぬるくなった保冷剤を再び凍らせて使う行為自体に、冷却性能としての問題は基本的にありません。しかし、いくつかの見落としがちな落とし穴が存在します。
常温で長期間放置された保冷剤の表面には、空気中のホコリや結露によって雑菌やカビが繁殖している可能性があります。不衛生な状態のまま再冷凍し、食品に直接触れる形で再利用すると食中毒の原因になりかねません。また、外装フィルムが劣化して目に見えないピンホールが生じていると、中身が漏れ出す危険もあります。
気になる保冷剤の中身と毒性についてですが、現在日本国内で流通している食品用保冷剤の99%以上は、約98%の水と約1〜2%の高吸水性ポリマー安全性が確認されたゲル化剤で構成されています。紙おむつにも使われるポリアクリル酸ナトリウムなどが主原料であり、基本的には無害です。ただし、微量でも体内の水分を急激に吸収して膨張するため、小さな子どもやペットが誤飲した場合は窒息や腸閉塞の恐れがあります。万が一飲み込んだ場合は無理に吐かせず、すぐに医師の診察を受ける必要があります。なお、かつて不凍液として海外製品等で問題視された有毒なエチレングリコールは、一般的な国内向け保冷剤には使用されていません。