溶連菌感染症(主にA群β溶血性連鎖球菌)は、飛沫や接触によって感染が広がります。家庭内や集団生活での潜伏期間は2日〜5日程度です。
臨床現場において、溶連菌を見極める最大のカギは「先行する急激な発熱」と「激しい咽頭痛」にあります。風邪と異なり、咳や鼻水といった上気道症状をほとんど伴わない点が際立った臨床的指標です。
- 突然の38〜39℃台の発熱:前触れなく急激に体温が上昇する。
- 激しい喉の痛みと嚥下困難:唾液を飲み込むことすら激痛を伴い、水分摂取を拒否する。
- 扁桃の発赤と白苔:喉の奥が真っ赤に腫れ上がり、白い膿のような付着物が散見される。
- 消化器症状:小児では頭痛のほか、吐き気や腹痛を訴えるケースが頻発する。
- 猩紅熱(しょうこうねつ)様発疹:首筋、胸元、内股などに、ザラザラとしたサンドペーパーのような微細な赤い発疹が一面に広がる。
発熱から2日〜3日目にかけて白い苔をまとった白イチゴ舌が現れ、やがて苔が剥がれて真っ赤なイチゴ舌へと移り変わります。溶連菌が産生する菌体外毒素(発赤毒素・パイロジェニック外毒素)に対する生体反応によって、皮膚や舌粘膜に特有の紅斑と乳頭の腫脹が生じる仕組みです。
クリニックで行われる「溶連菌迅速抗原検査」は、喉の粘膜を綿棒で擦るだけで10〜15分程度で陽性・陰性が判定できます。陽性と判明した場合はペニシリン系を中心とした抗菌薬の内服が開始されます。