検索エンジンで西の河原公園を調べると、サジェストに「心霊スポット」という物騒なワードが浮上します。この西の河原公園の心霊スポットという噂の真相を紐解くと、かつての風土と仏教観が複雑に絡み合っていることが分かります。
古来、この地は強烈な硫黄臭が立ち込め、草木が生えない荒涼とした岩場であったことから「鬼の棲む場所」「あの世とこの世の境」と恐れられていました。親より先に亡くなった子どもが石を積むとされる仏教の「賽の河原(さいのかわら)」と同音であることからその名が当てられ、道端の至る所に積まれた石積みが不気味さを増幅させた背景があります。しかし、現地は綺麗に整備された国定公園の一部であり、事故や怪奇現象の公的記録はなく、単なるビジュアルと地名由来の先入観に過ぎません。
また、園内の名所である「鬼の茶釜」も、恐ろしい怪談ではなく湯の湧出形態に由来します。西の河原公園の鬼の茶釜の由来は、かつて岩の隙間から沸騰した湯が茶釜の湯のようにブクブクと激しく噴き出していた様子を、鬼が湯を沸かしている姿に見立てたという伝承によるものです。かつては近づくことすら危険とされた湧出地も、現在は安全に整備され、草津温泉の力強い大地のエネルギーを間近に観察できる絶好の見学スポットとなっています。