ここ数年、TikTokやYouTubeのショート動画において、「裁縫針や眉毛用ピンセットを使って目の周りのブツブツを自分でほじくり出す」といった自撮りコンテンツが断続的にバズを起こし、そのたびに医療関係者の間で激しい物議を醸しています。動画内では「プチッと白い塊が取れてスッキリした」と爽快感が演出され、数十万件もの高評価を集める投稿も散見されます。
これに対し、日本皮膚科学会や形成外科学会の専門医有志がSNS上で一斉に警鐘を鳴らし、「重大な感染リスクと失明の危険を伴う極めて危険な行為」として非難が殺到、動画が規約違反で削除されるなど炎上騒動へと発展した経緯があります。医療機関の取材によると、こうした動画を真似して市販の針を刺し、雑菌が入ってまぶた全体が蜂巣炎(重い細菌感染症)に陥ったり、真皮を深く傷つけてクレーター状の瘢痕を残したりして駆け込んでくる患者が急増したといいます。
ネット上には「消毒用エタノールを塗って針を火で炙れば自宅でも安全」「オロナイン軟膏を厚塗りすればポロリと取れる」といった真偽不明の噂が氾濫していますが、これらは完全な誤情報です。家庭用の加熱処理では芽胞菌などの強固な菌を完全滅菌することはできず、火傷のリスクすら伴います。特に目の周囲は毛細血管や神経が密集しており、誤って眼球を傷つける危険性と隣り合わせです。「自分で取れた」と主張するネットの声の裏には、表に出ない膨大な失敗例が隠されている実態を直視しなければなりません。