朝の時短テクニックとして定着した「冷凍食品をそのままお弁当に入れる」方法ですが、すべての冷凍野菜に適用できるわけではありません。市販されている冷凍ブロッコリーの多くは、パッケージ裏面に「加熱してお召し上がりください」と明記された加熱調理前提の食品です。
冷凍野菜の製造工程で行われる「ブランチング」と呼ばれる加熱処理は、主に野菜の酵素を失活させて変色や品質劣化を防ぐための軽微な熱処理であり、完全に無菌化する殺菌工程ではありません。厚生労働省が定める食品衛生法上の「凍結前未加熱」または「加熱後摂取冷凍食品」に分類される製品は、食べる直前の十分な加熱を前提に規格基準が作られています。
そのため、市販冷凍ブロッコリーをお弁当にそのまま投入し、室温でゆっくり自然解凍させると、菌の増殖に適した20℃〜40℃の危険温度帯を長時間通過することになります。特に気温や湿度が上がる季節には、食中毒を引き起こす細菌が増殖するリスクが跳ね上がるため、表示確認のない「そのまま入れ」は極めてリスクが高い行為といえます。