かつて火鍋といえば「麻辣(マーラー)の痺れる辛さ」が主役だった。しかし、現在のトレンドは明らかにシフトしている。キーワードは「白湯(パイタン)」と「生薬の黄金比」だ。当帰、党参、枸杞の実、棗(ナツメ)などを何時間も煮込んだ濃厚なスープは、まさに五臓六腑に染み渡る滋味深さ。激辛の赤スープと、マイルドな白スープのツートンカラー「陰陽鍋」は今や定番だが、その白湯のクオリティこそが店の評価を左右する時代になった。
「辛いものは得意ではないが、上野の火鍋スープなら最後まで飲み干せる」という客が激増している。食べるエステ、あるいは飲むサプリメント。体温を底上げし、翌朝の肌の調子が見違えるという実感が、リピーターを増やし続ける最大の理由だ。