かつては視聴者センターへの抗議電話が批判の主軸でしたが、現代ではX(旧Twitter)を中心とした実況カルチャーと切り抜き動画の拡散が世論を形成しています。わずか数秒の表情の曇りや、司会者の進行ミスがミリ秒単位でキャプチャされ、瞬時に数十万回表示される拡散力は制作陣にとって最大の脅威です。
一方で、ネット上の批判が必ずしも視聴者全体の総意ではないという冷静な見方も広がっています。炎上しやすい過激な意見がアルゴリズムによって増幅される傾向があるため、現場の制作陣には過剰な自己規制に陥ることなく、良質なエンターテインメントを届けるバランス感覚が求められています。
リアルタイムでツッコミを入れながら楽しむ「参加型コンテンツ」として紅白を消費するスタイルが定着した今、炎上と話題化の境界線は極めて曖昧になりつつあります。視聴者の関心を惹きつけつつ、公共放送としての品位をどこまで維持できるかという綱渡りの挑戦が続いています。