無限城の深部で繰り広げられた上弦の壱・黒死牟との激突は、まさに地獄絵図だった。圧倒的な武力と異形の剣技を誇る黒死牟に対し、霞柱・時透無一郎、風柱・不死川実弥、悲鳴嶼行冥が集結するも、戦況は常に絶望の淵を彷徨う。その戦場に、呼吸を使えない不死川玄弥が飛び込んだ。
玄弥の選択は狂気にも似ていた。黒死牟の髪や折れた刀の破片を喰らい、自身の鬼化能力を極限まで引き上げる。並の人間であれば精神崩壊を起こしかねない負荷に耐え、彼は自らの血気術を進化させた。放たれた弾丸は黒死牟の肉体に食い込み、樹木のように張り巡らされた根が最強の鬼の動きを封じる。命を賭したその一撃がなければ、勝利への道筋は決して開かれなかった。