インターネット上には、「雛人形の左右を間違えると婚期が遅れる」「縁起が悪く災いをもたらす」といった不安を煽る俗説が散見されますが、これは完全な迷信・誤解です。
そもそも雛人形の本質は、古代の「形代(かたしろ)」に由来します。子どもの身代わりとなって病気や災厄を引き受けてもらい、健やかな成長を祈るための守り神です。昭和の核家族化が進む中で「早く片付けないと片付けられない娘になる」というしつけの意味合いが転じて「婚期が遅れる」という脅し文句が広まったに過ぎず、左右の位置がどちらであっても厄除けの霊験に何ら影響はありません。
また、「雛人形の向き(方角)」についても様々な説が飛び交いますが、現代の住宅事情においては直射日光が当たらず、エアコンの風が直接吹き付けない壁沿いに設置することが最善です。南向きや東向きに飾るのが伝統的吉方位とされますが、日焼けによる正絹の劣化や湿気を避ける実用面を最優先に考えるべきでしょう。