テクノロジーが加速する一方で、逆方向への強烈な磁場もまた表現界を揺さぶっている。フィルム撮影と実物破壊に異常なまでの偏愛を注ぐクリストファー・ノーランの姿勢は、デジタル全盛の時代において逆説的な輝きを放ち続けている。CGの過剰な滑らかさに倦怠感を覚えた観客は、重力と風と熱が刻み込まれた生々しい映像体験に飢えているのだ。
その極点を示したのが『デューン 砂の惑星PART2』だ。広大な砂漠の砂粒一つひとつ、夕暮れの斜光が役者の肌に落とす陰影。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が徹底したロケーション撮影と先鋭的な視覚効果を融合させて構築した圧倒的な物質感は、合成映像が決して到達できない「実在の手触り」を証明してみせた。
完全な合成でもなく、単なるノスタルジーでもない。フィジカルな現実の泥臭さとデジタルの演算力をどう衝突させるか。このせめぎ合いこそが、現在のアートフォームに強烈なテンションをもたらしている。