瞬間接着剤が皮膚に付着した際、もっとも警戒すべきはパニックに任せた「力任せの引き剥がし」です。接着剤の結合力は皮膚の角質層の密着度を上回るため、無理に引っ張ると表皮ごと剥がれてしまい、治癒に数週間を要する傷痕を残す危険があります。
まずは洗面器に40℃前後のお湯を張り、固形石鹸やハンドソープを溶かします。接着部を浸して数分間温めると、皮膚の毛穴から分泌される汗や脂、そして水分によって接着剤の界面が徐々に緩んできます。お湯の中で指の腹を優しく揉み込むように滑らせることで、皮膚を傷めずにポロポロと剥がれ落ちます。
お湯だけで落ちない頑固な付着には、アセトン含有の除光液を活用するのが確実です。コットンにたっぷりと除光液を含ませ、接着部分に1〜2分押し当てて浸透させると、シアノアクリレートポリマーが溶解して容易に拭き取れます。ただし、アセトンは皮膚の油分を強烈に奪うため、除去後は速やかにぬるま湯で洗い流し、高保湿ハンドクリームやワセリンを塗り込むアフターケアを徹底してください。