2016年のリオデジャネイロ五輪で銀メダルに終わり、マットに突っ伏して号泣した姿は日本中を揺さぶった。「ごめんなさい」と涙を流す姿に、人々は彼女がロボットではなく、血の通った一人の女性であることを痛烈に思い知らされた。
引退後の彼女は、スポーツエンターテインメント業界へと活動の場を広げた。バラエティ番組で見せる飾らない笑顔や、SNSで披露するコミカルな姿は瞬く間に人気を集めた。だが、どんなに親しみやすいキャラクターを前面に出しても、ふとした瞬間に見せるアスリートとしての体幹の鋭さや眼光に、視聴者はかつての絶対王者の影を見て歓声をあげる。
強さと愛嬌。この極端な二面性こそが、彼女が国民栄誉賞受賞者にとどまらず、現在もポップカルチャーのアイコンとして愛され続ける最大の理由である。