エリクソンと並び、発達課題の分野で必ず比較対象となるのが、アメリカの教育学者ロバート・J・ハヴィーガースト(Robert J. Havighurst)です。両者の違いを明確に区別しておくことは、理論の深い理解に役立ちます。
ハヴィーガースト発達課題比較における最大の違いは、「何を基準に課題を設定しているか」という視点にあります。
- エリクソン(心理社会的視点):個人の内面で巻き起こる「心理的葛藤と危機の克服」に焦点を当てる。危機を乗り越えることで人格的な強さが育つとする。
- ハヴィーガースト(教育・社会行動的視点):各年齢層において社会生活を健全に送るために「達成すべき具体的な行動規範やスキル(歩行の学習、読み書き、職業の選択、配偶者の選択、市民的責任など)」に焦点を当てる。
心理職やカウンセリングの現場では内面的な葛藤を読み解くエリクソンの視点が重宝され、学校教育やカリキュラム策定、社会復帰支援の現場ではハヴィーガーストの具体的な行動目標が活用されるなど、目的に応じた住み分けがなされています。