春から初夏にかけて私たちの身の回りで確認できる小さい紫の花は、野草(いわゆる雑草)と園芸種に大別されます。NHK出版が運営する植物データベース『みんなの趣味の園芸』の登録データを見ても、紫色を冠する植物は300件を超えており、そのバリエーションは極めて豊富です。まずは、日常生活で遭遇する確率が特に高い8つの代表種を押さえておきましょう。
野草として圧倒的な群生を見せるのが、瑠璃色の花弁が印象的なオオイヌノフグリ、筒状の赤紫色の花を段々に咲かせるホトケノザ、そして笠をかぶったような形状のヒメオドリコソウです。これらは早春の訪れを告げる風物詩であり、日当たりの良い土手や道端を一面に彩ります。また、湿り気のあるあぜ道には、サギが羽を広げたような姿のムラサキサギゴケが絨毯のように広がります。
一方、園芸種由来、あるいは庭のグラウンドカバーとして多用されるのが、ブドウの房のような花穂をつけるムスカリや、日陰でも力強くランナーを伸ばして紫の小花を咲かせるアジュガ(セイヨウジュウニヒトエ)です。さらに、古くから日本人に愛されてきた野性味あふれるスミレや、茎を長く伸ばしてミントに似た爽やかな芳香を放つカキドオシも、住宅街の路地や庭先で頻繁に目撃されます。