インターネット上の保存情報には、科学的根拠を欠いた誤解も少なくありません。おいしさを損なわないために知っておくべき3つの盲点を解説します。
第一の誤解は、「硬くて甘くない未熟な桃も、冷凍すれば甘くなる」という思い込みです。果実のデンプンが糖に変わる追熟プロセスは、常温の生体活動によってのみ行われます。冷凍庫に入れた瞬間に追熟は完全に停止するため、酸っぱく硬い状態で凍らせた桃は、解凍しても酸っぱく硬いままです。必ず常温で香りと柔らかさを引き出してから冷凍庫へ移行させてください。
第二の盲点は、「冷凍焼けによる風味の劣化」です。果実は水分が蒸発しやすいため、ラップの包み方が甘かったり保存袋の空気をしっかり抜いていなかったりすると、庫内の冷風によって果肉が乾燥し、特有の冷凍庫臭を吸着してしまいます。ラップで隙間なく二重に包み、密閉保存袋の空気をストローなどで吸い出すように抜くことが、1ヶ月後も獲れたての香りを保つ秘訣です。
第三の誤解は、「レモン汁をかけると酸っぱくなって桃の味が台無しになる」という懸念です。変色防止に必要なレモン果汁はごくわずかであり、桃1玉に対して小さじ1杯程度を全体に薄く馴染ませるだけで十分な抗酸化作用を発揮します。むしろ適度なクエン酸が桃の濃厚な糖分を引き締め、後味を爽やかに際立たせる効果をもたらします。