SNSやネット掲示板では「BPOが過剰な規制をしたせいで、テレビから面白い番組が消えた」という論調が目立ちます。しかし、メディア構造とコンプライアンスの歴史を精査すると、この見解には重大な誤解が含まれていることが分かります。
当時の特番インタビューや制作陣の手記で語られている通り、現場が直面していたのは外圧だけではありません。コンプライアンス遵守が厳格化する中で、スポンサー企業各社が「暴力表現やいじめ助長と取られかねないコンテンツへの広告出稿リスク」を極度に警戒し始めたことが、番組継続を阻む強力なブレーキとなりました。
また、フォーマットの定型化による「マンネリ化との戦い」も深刻でした。「引き出しネタ」「バス車内の刺客」「蝶野正洋による月亭方正へのビンタ」「タイキック執行」「驚いてはいけない」といった定番の流れは、予定調和の心地よさを生む一方で、ダウンタウン自身が「笑いを我慢する緊張感」を保ちにくくなっていたという内省的な証言も残されています。