明石家さんまの本名は杉本高文(すぎもと たかふみ)。1955年7月1日、和歌山県東牟婁郡古座町(現・串本町)に生まれ、奈良県奈良市で育ちました。少年時代から人を笑わせることにかけては群を抜いており、高校卒業後の1974年に二代目・笑福亭松之助に弟子入り。「笑福亭さんま」として落語家の門を叩いたことが芸歴の第一歩でした。
しかし、その華々しいキャリアの裏には、あまり語られることのない過酷な青春期の影があります。幼少期の実母との死別、継母との関係構築の苦悩、そして若手時代に最愛の実弟を火災で亡くすという耐え難い喪失を経験しています。自著や過去のロングインタビューで振り返られるこれらの原体験について、本人は「どん底を味わったからこそ、生きているだけでありがたいと思えるようになった」と述懐しています。
内弟子修行を経て、師匠の勧めでタレント・漫談の世界へ進出。1970年代後半の『ヤングおー!おー!』で頭角を現すと、1980年代には『オレたちひょうきん族』でビートたけしと双璧をなし、「BIG3」の一角として日本のポップカルチャーを決定づけました。どんな逆境や悲劇も笑いのエネルギーへ変換する独自のメンタリティは、この青年期の試練によって培われたものです。