朝ドラで国民的女優の座を確立した後も、彼女は安住の地にとどまることはなかった。火曜サスペンス劇場や土曜ワイド劇場といったサスペンスドラマの枠組みにおいて、一筋縄ではいかない難役に挑み続けた。複雑な背景を持つ犯人役から、事件の謎を追う重要人物まで、幅広い役柄を演じ分ける器用さは圧巻だった。
一方で、家族の情愛や孤独を描いたヒューマンドラマでも本領を発揮。人間のドロドロとした情念や弱さを包み隠さず吐露する演技は、観る者の胸を打つ。日本芸能界を見渡しても、これほどまでに人間の「生の感情」を露出できる女優は稀有である。