実際に香典袋へ筆を執る際、表書きのレイアウトや使用する筆記具、中袋の書き方には明確なルールが存在します。細部の作法を押さえることで、遺族への敬意を正しく表現できます。
まず水引の下段中央に書く表書きですが、香典袋の表書きは夫のフルネームを中央に堂々と配置し、その左側に妻の名前のみ(名のみ)を並べて記載するのが一般的な作法です。名字は共通しているため重ねて書く必要はありません。ただし、近年増えている事実婚や仕事上の都合による香典の夫婦別姓の連名書き方としては、中央に夫のフルネーム、その左に妻のフルネームをバランスよく並べて記す形式が広く定着しています。
ここで注意したいのが墨の濃さです。外袋の表書きには「涙で墨が薄まった」という意味を込めて香典の夫婦連名でも薄墨の毛筆や筆ペンを使用します。しかし、香典袋の中袋(内袋)の夫婦連名に関する記載では、まったく逆のルールが適用されます。
中袋には遺族が後から集計・確認するための実務的な役割があるため、住所や金額は読みやすさを最優先し、はっきりとした濃い黒のインクで書くのが鉄則です。香典袋の内袋の金額には、改ざんを防ぐ伝統的な大字(旧字体)を用います。例えば3万円を包む場合は「金 参萬圓」、5万円なら「金 伍萬圓」と縦書きで明記します。また、裏面左下には香典の夫婦連名における住所の書き方として、郵便番号と番地、建物名まで正確に記し、その左に夫婦二人の氏名を併記します。