女子プロレス界を半世紀近く見つめ続けてきたロッシー小川氏の足跡を整理すると、彼がなぜこれほどまでにレスラーたちを惹きつけるのか、その理由が浮かび上がります。
ロッシー小川氏の本名は小川 宏(おがわ ひろし)。1957年5月1日生まれで、業界歴は全女時代から数えて実に48年を超えています。名門・全日本女子プロレスにスタッフとして足を踏み入れたのは1970年代の後半であり、ビューティ・ペアの国民的ブームや、クラッシュ・ギャルズが巻き起こした社会現象を広報・企画担当の最前線で支え続けました。リングサイドでカメラを構え、レスラーの最も魅力的な表情を切り取る審美眼は、この過酷な昭和全女の現場で叩き込まれたものです。
その後、1997年の全女崩壊危機を機に独立し、アルシオンを旗揚げ。女子プロレスに近代的なルチャリブレの技法と洗練されたビジュアル戦略を持ち込み、工藤めぐみ氏や大向美智子氏、府川唯未氏らの新たな魅力を開花させました。そして2011年、風香氏や高橋奈七永氏らと共に立ち上げたのがスターダムでした。旗揚げ当初は小さな雑居ビルの道場からスタートした団体を、愛川ゆず季氏の抜擢や紫雷イオ(現IYO SKY)氏、宝城カイリ(現カイリ・セイン)氏らの育成によって世界屈指の女子メジャーへと育て上げた実績は、プロレス史における揺るぎない金字塔です。