脇田が潜入先に選んだのは、毛利探偵事務所の目と鼻の先に位置する「米花いろは寿司」だった。この配置は決して偶然ではない。彼の第一の目的は、死亡したはずの高校生探偵・工藤新一の情報を収集すること、そして「眠りの小五郎」として急浮上した毛利小五郎の背後関係を探ることにあった。
いろは寿司の職人として日常に溶け込み、出前や日常会話を通じて自然な形で探偵事務所の情報にアクセスする手法は極めて老獪だ。名探偵の足元に自ら潜り込むという極めて大胆な一手は、相手の警戒心を解きながら内側から切り崩す、ラムならではの高度な心理戦であったと言える。