走行中に赤色の船マークが点滅または点灯した場合、生死を分けるのはドライバーの初動です。パニックを起こさず、以下の警告灯点灯時の正しい対処法を迅速に実行してください。
第一のステップは「即座の安全な停車」です。ハザードランプを点灯させ、後続車に注意を払いながら路肩や近くの駐車場、非常駐車帯へ滑り込ませます。高速道路上であれば、ガードレールの外側など安全が確保できる避難場所へ退避することが最優先です。
第二のステップは「状況に応じたアイドリング判定」です。ここがプロの現場でも意見が分かれる重要な分岐点です。ボンネットからすでに白い水蒸気や煙がモクモクと立ち上っている場合、あるいはクーラント特有の甘ったるい異臭が充満している場合は、冷却水が完全に吹き飛んでいる可能性が高いため、直ちにエンジンを切る必要があります。一方、煙は出ておらず警告灯が点いた直後であれば、エンジンをすぐに切るとウォーターポンプが停止し、エンジン内部の局所的な熱だまり(ヒートスポット)で金属の歪みが悪化することがあります。この場合はエアコンをOFF(送風状態、ヒーター最高温・風量最大にすると熱を室内へ逃がす放熱器の役割を果たせます)にし、アイドリング状態のまま数分間様子を見ます。それでも水温警告灯が消えなければエンジンを停止させます。
ここで、ロードサービス隊員が口を揃えて警告する絶対にしてはならないNG行動があります。それは「熱い状態でラジエーターキャップを開けること」です。
過熱状態の冷却系統内部は、圧力鍋と同じく高圧状態に保たれています。この状態でラジエーターキャップやリザーバータンクの密閉キャップを緩めると、減圧によって沸点が急降下し、100℃を超える熱湯と高圧スチームが一気に噴き出します。顔面や手腕に重度の熱傷を負う重大事故が後を絶ちません。ボンネットを開けて点検する作業は、エンジン停止後、最低でも30分から1時間以上放置して手で触れられる温度に冷え切るまで絶対に待たなければなりません。