水炊きの命であるスープには、大きく分けて二つの潮流がある。長時間をかけて骨の髄まで炊き出した濃厚な鶏白湯スープと、弱火で丁寧にアクを取り除いた琥珀色の澄ましスープだ。
どちらの流派においても主役を張るのは、銘柄鶏の存在感に他ならない。特に「はかた地どり」は、引き締まった肉質と噛むほどにあふれ出る旨味が特徴で、濃厚な出汁に負けない力強いコクを生み出す。コラーゲンが溶け出したとろみのあるスープに、ほんの少しの塩と小葱を落とす。それだけで、どんな高級フレンチのソースをも凌駕する奥行きが口いっぱいに広がる。