芸能界におけるグループの解散劇には、方向性の違いやメンバー間の確執がつきまとうケースが少なくありません。しかし、V6の解散理由において不仲説は皆無でした。解散への具体的な議論がスタートしたのは、2019年春頃のことです。
発端となったのは、舞台俳優として高い評価を得ていた森田剛からの「これからの人生、ジャニーズ事務所を離れた環境で役者として表現を追求したい」という率直な相談でした。年齢が40歳という節目を迎えるにあたり、ひとりの表現者として新たなステージに立ちたいという純粋な意志でした。
ここで特筆すべきは、他の5人が「森田を引き留める」あるいは「5人でV6を継続する」という選択を一切取らなかった点です。V6には結成当初から「この6人でなければV6ではない」という強固な共通認識がありました。誰か1人でも欠けるなら、グループそのものを美しい形のまま完結させる――それこそが、20代から苦楽を共にしてきた6人が導き出した究極の誠意でした。