保育現場や家庭教育のリアルに迫ると、絵に描いたような成功ばかりではありません。現役の保育士や幼稚園教諭への取材、保護者のコミュニティに寄せられる生の声からは、集団遊びならではの摩擦や課題が浮き彫りになっています。
特に現場で頻発するのが、「じゃんけんで負けた悔しさによる癇癪(かんしゃく)や離脱」です。4歳児前後の自我が急激に芽生える時期、勝ち負けの結果を素直に受け止められず、後ろに繋がることを頑なに拒否して泣き崩れてしまう子どもが必ず一定数存在します。
「初任者の頃は、泣いてしまう子を無理に引っ張って連結させようとして、余計に場が混乱してしまいました。今は、負けて悔しがる姿を『それだけ勝ちたかったんだね』と一度受け止め、『この列車は〇〇ちゃんが後ろから押してくれないとパワーが出ないんだ』と、重要な役割があることを伝えるようにしています」(私立認可保育園・勤務歴12年の主任保育士)
また、運動機能の発達差による「脱線事故」も日常茶飯事です。先頭の元気な子どもが大股でぐんぐん進んでしまうと、後続の小柄な子どもや足の遅い子どもがついていけず、連結が千切れて転倒につながります。これを防ぐため、熟練の保育者は伴奏のテンポをあえて重厚でゆっくりとしたテンポにコントロールし、ピアノのスタッカートやフェルマータを駆使して子どもの注意を音に引きつける工夫を凝らしています。