被害者から騙し取られた資金の流れを追うことは、年々困難を極めている。指定される振込先は、従来の法人口座から、海外の無登録暗号資産取引所や、プライバシー重視型の分散型金融(DeFi)プロトコルへと移行した。
犯罪グループは、奪い取った資金を瞬時に複数の暗号資産に分散・変換する「ミキシングサービス」やAI駆動のハッシュ難読化ツールを経由させる。これにより、資金の最終目的地や統括者の所在を徹底的に隠蔽している。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査員は、「資金が国境を越えて暗号化ネットワークに入ると、従来の差し押さえや口座凍結の手続きでは追いつかないのが現状だ」と焦りを隠さない。