解と係数の関係が真価を発揮するのは、解の対称式を処理する局面です。例えば、2解の2乗の和 $\alpha^2 + \beta^2$ や3乗の和 $\alpha^3 + \beta^3$ は、次のように基本対称式($\alpha + \beta$ と $\alpha\beta$)だけで表すことができます。
・$\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta$
・$\alpha^3 + \beta^3 = (\alpha + \beta)^3 - 3\alpha\beta(\alpha + \beta)$
また、係数が実数の方程式において「$1 + 2i$ が解の1つである」と与えられた場合、共役複素数である $1 - 2i$ も必ずもう1つの解になります。2つの解を足せば実数 $2$、掛ければ実数 $5$ となるため、解と係数の関係から瞬時にもとの方程式 $x^2 - 2x + 5 = 0$ を構築することが可能です。
注意すべき落とし穴は、解の存在条件です。「2つの実数解を持つ」という条件が付いている場合、解と係数の関係で求めた値が、判別式 $D = b^2 - 4ac \geqq 0$ を満たしているかどうかを必ず検証しなければなりません。条件の確認を怠ると、存在しない虚数解を前提とした架空の値を答えてしまう危険があります。