長寿祝いの名称には、漢字の解体や語呂合わせに由来するものが多く存在します。傘寿の由来と漢字の成り立ちも、文字の視覚的な構造に深く根ざしています。
「傘」という文字の略字(俗字)は「仐」と書きます。この文字の構造を分解してみると、上部に「八」、下部に「十」が配置されているように見えます。この「八十」を縦に重ねた形状から、80歳を「傘寿(さんじゅ)」と呼ぶようになりました。また、傘が外に向かって大きく広がる「末広がり」の形状をしていることから、今後の人生の広がりや幸運を願う縁起物としての意味合いも重ね合わされています。
ここでよく比較されるのが傘寿と米寿の違いです。傘寿の次、88歳を祝う米寿は、「米」という漢字を分解すると「八十八」になることから命名されました。どちらも漢字の成り立ちに敬意を払い、長生きを言祝ぐ先人たちの知恵と洒落っ気が込められた美しい文化遺産といえます。