豚丼の激戦区である帯広において、半世紀以上にわたり独自の地位を築き上げてきた鶏の伊藤。公式サイトや歴史資料によると、同店は創業50年を超え、「誰もが戻って来る味の店」を掲げて十勝の人々の胃袋を支え続けてきた。暖簾をくぐるとまず目を奪われるのが、まるで迷路のように入り組んだ全26卓の手造りの個室・広間だ。各部屋に独自の趣があり、昭和レトロな調度品や独特のインターホンなど、空間そのものが一つのエンターテインメントとして機能している。
全国放送のメディアで注目された要因は、一過性の珍奇さではない。提供される料理の圧倒的な「質と量」、そして良心的な価格設定にある。大皿からあふれんばかりに盛られた肉料理は、十勝の厳しい自然の中で働く一次産業従事者や学生たちのスタミナ源として重宝されてきた。食べログ等のグルメ指標でも★3.47の高評価を維持し、夜の予算が1,000円から1,999円程度という手頃さも、老若男女を引きつけてやまない理由だ。