2011年にスタートし、14年以上にわたってNHK BSの看板番組として愛された『にっぽん縦断 こころ旅』。自転車「チャリオ」に跨がり、日本全国の視聴者から届いた「こころの風景」を訪ねる火野さんの姿は、日本中のお茶の間を温かく包み込みました。
番組内で見せた火野さんの飾らない優しさは、そのまま彼の実生活における「父親としての素顔」と直結していました。ロケ中に小さな子どもや動物と触れ合う際の柔和な眼差し、手紙の行間から他人の人生に寄り添う深い共感力は、自らが複雑な家族環境を経験し、人一倍愛情の尊さを知っていたからこそ滲み出る魅力でした。
「俺は何も立派な親父じゃないけれど、子供たちには笑っていてほしい」と周囲に漏らしていた火野さん。旅の途中でふと見せる遠くを見つめる横顔には、東京で暮らす娘たちや遠く離れた長男への静かな愛情が常に宿っていました。