自衛隊ウェディングを企画する上で、予算配分と演出手配は実務上の最重要課題です。新郎が着用する儀礼服は、官給品をそのまま用いるか、あるいは共済組合の指定業者や提携ドレスショップを通じて調達されます。民間のタキシードレンタルと比較して費用を大幅に圧縮できるケースが多く、浮いた予算を料理や装花、花嫁のドレスのグレードアップに充てるカップルが目立ちます。
演出の核となる儀礼刀のレンタルとサーベルアーチの実施には、極めて厳格な安全基準が課せられます。儀礼刀は刃がついていない模擬刀であるものの、防衛省の規定上は重要物品として厳重に扱われます。駐屯地・基地から持ち出す際には事前に部隊長の公認手続きが必要であり、式場への持ち込みルート、保管場所の施錠管理、そして当日帯刀する隊員の選定まで、万全の保安体制が敷かれます。
サーベルアーチを実施する際には、写真演出の注意点にも十分な配慮が求められます。サーベルを交差させる動作には十分な空間が必要となるため、式場選定の段階で「天井高が3メートル以上あるか」「シャンデリアや照明設備に接触する危険性がないか」をプランナーと綿密に打ち合わせなければなりません。
さらに見落としてはならないのが、情報保全とSNSへの投稿リスクです。式典の様子を撮影した写真や動画を参列者がSNS上に公開する際、隊員の顔写真、所属部隊が特定できる名札や徽章、部隊特有の識別標識が無防備に拡散される事例が問題視されています。事前に参列者に対して「SNSへの公開範囲やタグ付けに関するお願い」をアナウンスしておくことが、トラブルを未然に防ぐ必須の防壁となります。