原作が講談社から単行本として刊行され、爆発的な部数を記録する中、その映像化権を巡る動きは熱を帯びていた。最終的にテレビドラマ化を手掛けたのは、日本テレビ系列の読売テレビである。センセーショナルな文学作品を、家族が視聴するテレビでどう表現するのか。制作陣には相当なプレッシャーが重くのしかかっていた。
読売テレビのスタッフは、単なる刺激の再現ではなく、普遍的な恋愛ドラマとして昇華させる道を選んだ。美しい映像美、繊細な心理描写、そして心の叫びを表現した音楽。出版業界と放送局が手を取り合い、一歩間違えれば批判の的に晒される劇薬のような作品を、不朽の名作へと仕立て上げた英断は、今も語り草となっている。