7号鉢のサイズが直径21cmであることは知っていても、実際に植え替えを行った後、数週間から数ヶ月で植物の元気がなくなり枯らしてしまう人が後を絶ちません。園芸専門店の相談カウンターや植物生産者への取材データから浮かび上がった、植え替えで失敗する決定的な理由は「一気に大きな鉢へ移すことによる土壌の過湿(根腐れ)」と「鉢カバー・受け皿の窒息構造」の2点に集約されます。
第一の罠は、「何度も植え替えるのは手間だから、4号や5号の小さな苗をいきなり7号鉢に植えてしまおう」という心理です。人間の衣服であれば「大は小を兼ねる」が通用しますが、植物の育成環境においてこれは致命傷となります。植物の根がまだ少ない状態で4リットル以上の大量の土に囲まれると、水やりをした後、根が吸いきれなかった水分が鉢の内部に何日間も残留し続けます。結果として土の中の酸素が失われ、嫌気性菌が繁殖して根が黒く腐り落ちる「根腐れ」を引き起こすのです。
この失敗を防ぐ鉄則が、適切な観葉植物の植え替え時期と理由の把握、そして段階的なサイズアップです。植え替えの最適期は、植物の新陳代謝が最も活発になる5月中旬から6月下旬(梅雨明け前まで)、または9月中旬から10月上旬に限られます。鉢底から根が飛び出している、あるいは水やりをしても土に水が染み込まなくなる「根詰まり」のサインが出たら、必ず6号鉢から7号鉢への鉢増し手順(1回り=直径3cmだけ大きくするルール)を守る必要があります。
具体的な手順としては、まず植え替えの数日前から水やりを控えて土を乾燥させ、古い6号鉢から根鉢を優しく引き抜きます。底でぐるぐると渦を巻いている古い黒ずんだ根だけを全体の3分の1程度ほぐして切り落とし、7号鉢の底にネットに入れた鉢底石と少量の元肥入り培養土を敷きます。その上に植物を据え、周囲の約1.5cm〜2cmの隙間に新しい土を割り箸などで突っつきながら隙間なく流し込み、最後に鉢底から透明な水が出るまでたっぷりと水を与えて微塵(みじん)を洗い流すのがプロの現場で実践されている標準工程です。
第二の罠が、インテリア性を重視するあまり発生する7号鉢に合う鉢カバーの選び方と7号鉢の受け皿サイズの選び方の寸法ミスです。外径21cmの7号鉢に対し、「7号用」と書かれた内径21cm〜22cmの鉢カバーを購入すると、鉢の上縁が引っかかって途中までしか入らない、あるいはぴったり密着して鉢底の通気性が完全に遮断される事故が多発します。
7号鉢を鉢カバーに収める場合、鉢の周囲に指が1〜2本入る余裕(空気の通り道)を確保するため、内径が24cm〜26cmある「8号鉢対応サイズ」の鉢カバーを選ぶのが正解です。また、受け皿を選ぶ際は「上部の直径(21cm)」ではなく、必ず「鉢の底径(約14cm〜17cm)」を基準に測定してください。7号鉢の底径に対しては、内径17cm〜19cm程度の受け皿(メーカー表記では6号皿〜7号皿)が最も美しく、かつ余分な水が溢れない適正サイズとなります。