廃止報道の前後にインターネット上で急速に拡散したのが、「民間企業へ払い下げられ、民間レジャー施設としてリニューアルオープンする」という再建説でした。しかし、この言説には行政法規および事業採算性の観点から致命的な見落としが存在していました。
まず第一に、プールの立地が工業専用地域に隣接する日吉原緑地内であった点です。公営施設だからこそ都市公園法や緑地保全の例外規定を適用して長年運用されていましたが、民間企業が営利目的で新規レジャー施設として買い取る場合、用途地域や建築基準法、環境アセスメントの観点で極めて高いハードルが立ちはだかります。
第二に、民間事業者が投資回収を行うための採算ラインです。屋外プール単独での黒字化は日本全国を見渡しても至難の業であり、猛暑日の屋外利用制限や台風による休園リスクが年々高まっています。仮に民間運営となれば、入場料を数千円規模に引き上げざるを得ず、従来の「安価に楽しめる地域プール」というアイデンティティは崩壊します。こうしたビジネス上の現実から、手を挙げる事業者が現れることはなく、「民間による営業再開」というシナリオは完全な誤解として収束しました。