昭和28年当時の100万ドル(3億6,000万円)は、経済規模や物価水準が激変した現在において、一体どれほどの価値を持つのでしょうか。100万ドルの夜景 現在の価値を多角的に検証すると、その数字は想像を絶する水準へと膨れ上がります。
まず、消費者物価指数や大卒初任給の推移をもとにした貨幣価値の換算です。1953年当時の大卒初任給は約8,000円前後であり、現在の初任給(約23万〜25万円)と比較すると、貨幣価値はおよそ30倍に上昇しています。単純に当時の3億6,000万円を現在の貨幣価値に引き直すと、約108億円という巨額の試算になります。
一方で、近年の電力事情から「リアルタイムの電気代」を再集計するアプローチもあります。1980年代後半のバブル経済期、神戸市役所は視野に入る範囲を神戸市内のみならず、尼崎、西宮、さらには大阪湾を取り囲む大阪市街地まで拡大しました。灯りの数が飛躍的に増加した結果、1日の電気代、あるいは1カ月分の電気料金が当時のレートで1,000万ドル(約13億〜15億円前後)を突破したことから、「1000万ドルの夜景との違い」として広くプロモーションされるに至りました。
2020年代半ばから2026年にかけては、燃料費調整額の上昇や再エネ賦課金の変動、さらに高効率LEDの急速な普及という二律背反の要因が絡み合っています。神戸市および関西電力の公開データをもとに算出した推計では、摩耶山や六甲山展望台 デートスポットから一望できる約1,000万世帯超の生活・商業エリアにおける夜間点灯コストは、一晩(点灯から深夜までの約6時間)だけでも約2,000万〜3,000万円、月換算では軽く7億〜9億円(現在の為替相場で約500万〜600万ドル)に達します。名実ともに「億単位のエネルギー」が眼下で燃え盛っている計算です。