SNSや読書メーター、各種コミックレビューサイトの反応を精査すると、城平作品に対する熱量の高さは世代を超えて引き継がれている実態が浮かび上がります。
1990年代後半から2000年代初頭の『月刊少年ガンガン』黄金期を経験した読者層からは、「子どもの頃に『スパイラル』で論理的思考の面白さに目覚めた」「鳴海歩の『信じること』に関するモノローグが今も心に残っている」といった手記のような熱い声が多数寄せられています。
一方、2010年代以降に『虚構推理』から入った読者層では、岩永琴子と桜川九郎の特異な関係性や、会話劇のテンポの良さに対する評価が目立ちます。「本格ミステリは難しそうという先入観があったが、屁理屈の応酬に見えて全てが完璧なロジックで回収される快感にハマった」という意見が示す通り、ライトノベル・漫画ファンを本格ミステリの深淵へと誘う水先案内人として機能しています。
文壇および本格ミステリ作家クラブからの評価も極めて高く、2012年に『虚構推理 鋼人七瀬』で第12回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞した際は、選考委員から「本格ミステリの構造自体を批評的に捉え直した大傑作」として満場一致に近い賛辞を受けました。