視聴率の数字だけを見れば「過去最低圏」と叩かれがちですが、X(旧Twitter)をはじめとするリアルタイムのネットの反応を検証すると、全く異なる熱量が浮き彫りになります。
放送中のタイムラインは、アーティストの衣装、生放送特有のアクシデント、豪華なバックダンサーの共演、けん玉ギネス記録の挑戦シーンなどで埋め尽くされ、世界のトレンドランキング上位を紅白関連ワードが独占します。5ちゃんねるの実況スレッドやSNSコミュニティでは、好意的な絶賛から手厳しいツッコミまで、膨大なトラフィックが秒刻みで発生し続けます。
現場観察で特筆すべきは、「テレビの音声をミュートにし、スマホのタイムラインを眺めながら話題になった瞬間だけ画面を見る」という受動的・選択的視聴スタイルの定着です。これは従来の「視聴率」という概念では完全に捕捉できないエンゲージメントの形態であり、現代のユーザーにとっては「テレビ番組を観ている」のではなく「紅白という大晦日の巨大なネット祭りに参加している」という感覚に近いと言えます。
公式発表資料やNHKの広報コメントにおいても、NHKプラス等の見逃し配信における同時接続数や総再生数が年々過去最多を記録していることが明かされています。受像機としてのテレビから離れた視聴者が、タブレットやPCを通じてタイムシフト視聴を行っており、視聴率の低下がイコール「関心の消滅」ではない現実がここにあります。