9月下旬の気候に関して、ネット情報や一般的な会話でまことしやかに語られている言説の中には、危険な誤解が少なくありません。代表的な2つの盲点を客観的証拠から是正します。
誤解①:「9月下旬になったら冷房(エアコン)は完全に使わないのがエコで健康的」
これは大きな誤りです。断熱性の高い現代の気密住宅やマンションでは、日中の強い日射熱が室内にこもり、外気が25℃であっても室温が28℃〜29℃まで上昇し、熱中症リスクが高まるケースが多発しています。特に湿度の高い秋雨の日は、気温以上に体感温度が上がり、室内熱中症で救急搬送される高齢者も後を絶ちません。「9月下旬だから冷房は禁止」という思い込みを捨て、室温26℃〜27℃・湿度50%〜60%を維持するために、除湿(ドライ)運転や適度な冷房を柔軟に稼働させる判断が欠かせません。
誤解②:「インナーをヒートテックなどの吸湿発熱素材に切り替えれば安心」
これも秋口に非常に多い失敗の原因です。化学繊維による吸湿発熱インナーは、冬の乾燥した寒さには効果的ですが、日中に汗ばむ9月下旬に着用すると、発熱が止まらなくなり大量の汗をかいてしまいます。そして夕方に気温が下がると、乾ききらない汗が冷えて皮膚温を一気に奪う「汗冷え」を引き起こし、かえって風邪の原因になります。9月下旬のインナーは、吸放湿性に優れた上質なコットン(綿100%)やシルク混、高機能ドライインナーを選択するのが正解です。