ファンの記憶に今なお鮮烈に残っているのが、毎年春の劇場公開時に味わえたあの特有の疾走感だ。本編の感動的な長編映画を楽しんだ後、畳みかけるように始まる短編アニメの躍動感。なかでも1997年に公開された『ザ☆ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状』は、シリーズ最高峰の傑作として現在も語り継がれている。
フランスの怪盗ドラパンとの知恵比べや、友情を試される極限状態でのドラマ、そして息をのむアクション演出。西部劇風のドラ・ザ・キッド、カンフーに長けたドラメッド三世、変幻自在のドラリーニョなど、個々の特技を生かした群像劇は、大人の鑑賞にも耐えうる洗練されたクオリティを誇っていた。