「一度行ったら子どもが夢中になり、年間パスポートを即座に購入した」「大人だけで訪れても丸一日知的な刺激に浸れる」――SNSや口コミサイトには、このような熱狂的なコメントが年を追うごとに積み上がっています。地方自治体が運営する公立博物館でありながら、これほどまでに強烈な求心力を保ち続ける背景には、単なる展示施設の枠組みを超えた緻密な展示設計と空間演出が存在します。
茨城県教育委員会が公開する基本理念「過去に学び、現在を識り、未来を測る」という言葉通り、館内は宇宙の進化から地球の生い立ち、自然の仕組み、生命の営みへとダイナミックに展開します。筆者が現地を取材して驚嘆させられるのは、展示物の圧倒的な物量と「静止した標本を眺めるだけではない」動的なギミックの巧みさです。館内に入るとまず出迎える巨大なマンモスや、薄暗い森の中で突如として咆哮をあげるリアルな恐竜ロボットは、訪れる世代を問わず本能的な興奮を呼び起こします。
さらに、館内の展示にとどまらず、約15.8ヘクタールという東京ドーム3個分以上の広大な敷地に広がる自然環境そのものが博物館の一部として機能しています。天候に左右されずに没頭できる屋内展示と、季節の移ろいを肌で感じられる野外ゾーンが見事なシナジーを生み出している点こそ、何度足を運んでも飽きが来ない最大の理由といえます。