「ファン活動の一環だから許される」「同人誌即売会で頒布されているのだから問題ない」という認識は、法律上完全に誤りです。大前提として、他者の著作物であるキャラクターや世界観を用いて無断で作品を制作・公開する行為は、著作権法における複製権や翻案権の侵害に該当します。特に成人向け描写を伴う場合、著作者人格権の一つである同一性保持権の侵害(著作者の意に反する改変)を問われるリスクが極めて高くなります。
それでもなお長年にわたり同人活動が活況を呈してきた背景には、いわゆる「同人二次創作 黙認の真相」が存在します。権利者側がファンコミュニティの熱量を作品の認知向上やプロモーション効果として捉え、個人規模の活動に対して「あえて権利を行使しない」という大人の判断を下してきた歴史的経緯があるためです。
しかし、近年の状況はこの暗黙の了解を揺るがしています。現在公開されている「二次創作 ガイドライン 公式」の多くを精査すると、ガイドライン禁止事項の筆頭に「公序良俗に反する表現」「過度な性的描写(R18)や暴力表現」「公式作品や第三者の名誉・品位を傷つける行為」が明確に記載されるケースが定着しました。かつては曖昧にされていた境界線がテキストとして明文化されたことで、「公式がNGと明記している以上、成人向け表現は完全に権利侵害である」という法的解釈が極めて明確になっています。